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SIerがリアルを語る!SESでスキルがつかない理由とその対策

SES(システムエンジニアリングサービス)は、IT業界において広く行われている労働形態の一つです。
しかし、多くのSESエンジニアが
「スキルがつかない」
と感じることがあります。

この問題に悩むエンジニアも多く、キャリアの行き詰まりを感じることも少なくありません。

この記事では、SESでスキルがつかないとされる理由と、その対策について詳しく解説します。

SIerが語る!SESではスキルがつかないのか

早速結論ですが、SESでスキルがつかないのかという点で言うと、
「案件次第ではあるものの、8割型スキルがつかない」
と考えて良いと思います。

これは、私の会社のSES部門での働き方に加え、私の会社がSESを利用したときの経験も踏まえてお話します。

SESでスキルがつかない理由は大きく分けて3つあります。

自社でやるメリットがないから仕事を振る

1つ目の理由は、自社でやるメリットがない仕事だからこそ、他社に振るということです。

例えば私の会社では、
「夜間の監視業務」
をSESとして依頼されています。

夜間の監視業務は、いわば
「自分たちがやるのは面倒」
と考えているからこそ、他社に依頼します。

同じような理由で、
・雑務
・資料作成(手を動かすだけの仕事)
・コーディングのみ
といった仕事は、人手が必要な一方で、スキルアップにならないケースが多いです。

こういった仕事を他社に依頼することが多いSESでは、エンジニア自身のスキルアップが難しいのです。

逆に言えば
「自社でやることにメリットが有る」
と感じる場合は、新しく人を採用してでもそのポストに人を入れます。

そうするほどの価値がない(もしくは一時的)な仕事を依頼するのがSESの基本なのです。

教育していく義理はない

SESで入ってくる人は、そもそも自社の人間ではありません。

そのため、教育する義理はないのです。

例えば、コードの書き方が汚かったとしても、
「教えて書き直させる」
のと
「こっちで書き直す」
では、後者の方が楽なパターンがあります。

そうなった時に、わざわざ時間がかかるけど指導をする。

これは、「今後も長く一緒に働くからこそ意味がある」行為です。

SESでは、そこまで相手のためを思って指導することのメリットがありません。

そのため、スキルがつかない(我流のままになってしまう)ことが多いのです。

スキルが必要な部分は巻き取る覚悟でやる

これは、私がSESに仕事を依頼したときの話です。

過去に一緒に仕事をしたことがない会社からのエンジニアだったので、
「最悪できない人だったときには、自分がカバーできるスケジュールを組む」
ということを意識していました。

結果、APIを使った開発だったのですが、
「わかりません。進んでいません。」
という感じの人でした。

最終的には、私が途中から変わって開発を行いましたが、こういうことが想定されるため、SESに大きな仕事やスキルの高い仕事を任せることにはリスクが有るのです。

これが、SESでスキルがつかない理由です。

SESでスキルがつかない理由

プロジェクトが限定的な内容になる

SESエンジニアが担当するプロジェクトは、クライアントの要望に応じたものとなります。

多くの場合、短期的な要件に対して特定のタスクを遂行することが求められるため、技術的な成長が限定されてしまうことがあります。

– 業務範囲が狭い: SESのプロジェクトでは、部分的な作業に従事することが多く、システム全体の設計やアーキテクチャの理解が深まらないことがあります。これは、エンジニアとしてのスキルの幅を広げる機会を制限してしまいます。

– 最新技術を学ぶ機会の不足: SESエンジニアの多くは、クライアントが求める技術に従うため、自分のペースで最新技術を学ぶ機会が少なくなります。これにより、技術の進化についていけず、市場価値が低下してしまう可能性があります。

クライアント主導の環境で学習機会が限られる

SESでは、クライアント企業での作業が基本となります。

クライアントの管理下で働くため、自分のペースで学びたいスキルや知識を深める時間が取れないことが多いです。

– 長時間労働の影響: SESの現場によっては、納期に追われて長時間労働が強いられることがあり、自己学習に割ける時間が極めて少なくなります。結果として、自己成長の時間が確保できず、スキルが停滞することになります。

– 学習支援の不足: クライアント企業での作業では、学習のためのサポートが十分に行われない場合があります。企業の社内SEや自社開発のエンジニアとは異なり、SESエンジニアは教育やトレーニングプログラムが提供されないことが一般的です。

スキルの深堀りができない環境

SESの仕事は、多くの場合、限られた期間での短期的なプロジェクトが中心です。

これにより、特定の技術を深堀りする機会が減少することがあります。

– プロジェクトの短期化: プロジェクトが終わると次の現場に配属されることが多く、継続して同じ技術を深める機会がない場合があります。短期的なプロジェクトでは、技術の理解が浅くなりやすく、スキルの向上が期待しにくいです。

– 技術の使い捨て状態: クライアントによっては、SESエンジニアに対して同じ作業を繰り返し求めることが多く、新しい技術やスキルを積み重ねていく余裕がありません。この結果、成長のスピードが遅くなります。

徹底的なマニュアル化

多くのエンジニアを入れる際に、必要になってくるのが
「マニュアル化」
です。

きちんとマニュアルにしていれば、ある程度能力が低い人でも安定的に動かすことができます。

特に運用保守の案件の場合には、マニュアル通りに作業をすれば良いだけにすることがあります。

こうしたマニュアル化を進めている現場ほど
「マニュアルを読めばできる仕事」
になりがちで、何年プロジェクトに参画していても、スキルがつかないケースがあります。

SESでスキルをつけるための対策

最も重要なのは会社選び

SES会社でも、SIerのSES部門でも、どの場合でも最も重要なのは
「会社選び」
です。

例えば、運用保守と開発の案件の割合。

運用保守が多いほど、前述のように単純作業だけの仕事になる可能性が高いです。

開発の案件が多かったとしても、プロジェクトの人数や納期に余裕がない場合。

スキルの無い(浅い)人員を入れると、プロジェクトの負荷が上がりますので、元々スキルの高い人以外は入れないでしょう。

また、一次請けと二次請け・三次請けの会社では、利益率に大きな差があり、結果として人を育てるための金銭的な余裕があるかに影響してきます。

このように、SESでスキルを付ける(実務経験)場合には、会社選びが最も重要になります。

自己学習の時間を確保する

SESでスキルを伸ばすためには、自己学習が欠かせません。

業務外での学習時間を意識的に確保し、必要な技術を積極的に学ぶことが重要です。

– スキルアップの目標を設定する: 自分が目指すキャリアやスキルの方向性を明確にし、そのために必要な技術を計画的に学ぶことが大切です。特に、最新のプログラミング言語やクラウド技術の学習は、エンジニアとしての市場価値を高めるポイントとなります。

– オンライン学習の活用: 最近では、オンライン学習プラットフォームが豊富に存在しており、自己学習に最適な環境が整っています。オンライン教材やYouTubeの技術解説動画などを活用して、効率よくスキルアップを目指しましょう。

長期的なプロジェクトに参加する機会を探す

SESの環境でも、長期的なプロジェクトに参加できるように働きかけることが重要です。

長期的なプロジェクトでは、システム全体の構造や深い技術知識を学ぶ機会が増えます。

– プロジェクト選択に関わる: 自分が携わりたい技術や分野が明確であれば、そのようなプロジェクトに参加できるよう、上司や営業に積極的に相談しましょう。SES企業によっては、エンジニアの希望を反映したプロジェクト選びが可能な場合もあります。

技術コミュニティへの参加

社外での技術コミュニティに参加することも、スキルアップに有効です。

他のエンジニアとの交流や最新技術の情報交換が、自己成長につながるからです。

– 勉強会やハッカソンに参加: 勉強会やハッカソンは、実際に手を動かして学べる良い機会です。特に、最新の技術やトレンドを学べる場としては最適です。積極的に参加し、ネットワークを広げることがスキルアップに繋がります。

転職を視野に入れる

もしSESでのスキル向上が難しいと感じる場合、転職を考えることも一つの選択肢です。自社開発企業や社内SEとして働くことで、スキルを深めるチャンスを掴むことができます。

– 転職活動の準備: 転職を検討する際には、自分の現在のスキルセットや経験を客観的に評価し、強化すべき点を明確にすることが大切です。転職エージェントや求人サイトを活用して、スキルアップの機会が豊富な企業を探しましょう。

まとめ

SESの現場では、スキルがつかないと感じることが多いですが、対策を講じることで成長のチャンスを掴むことが可能です。

自己学習の時間を確保し、技術コミュニティに参加するなどの工夫で、SES環境でもスキルを向上させることができるでしょう。

また、スキルの伸びに限界を感じた場合には、転職を視野に入れることも一つの手段です。

エンジニアとして成長を続けるために、今できることから取り組んでみましょう。

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