子育てが社会的にも重要視される中で、会社として「時短社員」の制度を設ける所も多いです。
しかし、実際に時短社員を経験したことがある人ならわかると思いますが、
「時短社員は嫌われやすい」
のが現状です。
本来は、そうならないために会社が色々と働きかける必要性がありますが、会社が動いてくれることは稀でしょう。
今回は、そんな時短社員のために
「なぜ嫌がられるのか」
「どうすれば嫌がられないのか」
ということを考えたいと思います。
現在苦しんでいる方は、この記事を読んで、今日からの行動を変えていただければと思います。
時短社員はいらない?嫌がられる7つの理由
職場で「時短社員はいらない」と思われてしまう背景には、いくつかの理由があります。
これらの理由を理解することで、解決策を見つけるヒントが得られるかもしれません。
残業ができない
時短勤務では基本的に定時退社が求められるため、残業が必要な場面で対応できないことがあります。
「緊急対応に参加できない」と周囲に感じさせることが、マイナス評価に繋がることがあります。
例えば、今日までにやらなければならない仕事が、急に入った時。
こういったときに、定時退社されてしまうと、会社として困る場面が出てきます。
特にクライアントやお客様に迷惑をかけるような仕事や、会社として機会損失が多くなるような仕事の場合には、こういった傾向が見られます。
重要な仕事を任せにくい
時短社員は、限られた勤務時間の中で全てのタスクをこなすのが難しいため、重要なプロジェクトを任せにくいという声もあります。
どうしても、日本の企業は「1日最低8時間」働くことが当たり前と考えがちです。
本来は、8時間が最大のはずなのに、不景気が続いているため「8時間+残業」がデフォルトになりつつ有り、その時間でできるだけの仕事を振るような習慣が知らず知らずの内についています。
結果として、
「1日6時間の時短勤務の人にできる仕事量の仕事がない」
なんてことが起こる可能性があるのです。
加えて、前述の「残業ができない」ということと合わさって、仕事を任せにくいことが時短社員が嫌がられる1つの理由となっています。
急に休む機会が多い
時短社員の多くが、子どもの病気や学校の用事などで、急に休みを取ります。
これも、会社や社会的な問題ですが、
「有給をすべて好きなタイミングで消化できる人」
は少ないのが現状です。
そんな中で、急に有給を頻繁に取られると、他の人の業務が圧迫される可能性があります。
特に、「急」な休みは事前の調整が難しいため、調整業務も追加で発生する場合があるでしょう。
こういった理由で、時短社員が嫌がられるケースがあります。
教育がしにくい
勤務時間が短いと、新しいスキルや知識を教えるための時間が十分に確保できないことがあります。
「成長支援の難しさ」が管理者の悩みになります。
私の会社でも時短社員を育成していますが、
「1日8時間の内の1時間の教育」
は、全体の12.5%程度の時間になりますが、
「1日6時間の内の1時間の教育」
は、全体の16.7%の業務時間に当たります。
それだけ、業務時間を圧迫することになりますし、本人の業務も進まない可能性があります。
こういった状況なので、育てにくという感覚があり、そういった意味でも時短社員とそうでない社員が比べられることが多いでしょう。
プライベートで勉強しない
勤務時間外でのスキルアップや勉強に消極的な場合、能力不足が目立ちやすくなります。
「努力不足」が職場での評価を下げる要因になることもあるでしょう。
時短社員の場合、どうしても「家事・子育て」でプライベートが使われる可能性が高いです。
そのため、会社側としても勉強を積極的にやるように言う事自体に躊躇するなど、扱いにくさを感じる人が多いでしょう。
言い換えるなら、時短社員の多くが「仕事の優先度が低い」という状態です。
そのため、他の人よりも仕事に対する捉え方に責任感が無いと見られる場合もあります。
周りの人の業務負荷が大きくなる
時短社員の分の仕事が他の社員に回ることがあり、業務負担が増加することがあります。
「負担の偏り」が、会社全体の不満の原因になることがあります。
これは、前述したように「残業ができない」「責任がある仕事を任せにくい」という話に加えて、業務の調整などでリーダー職や管理職の負荷が上がり、時短社員のためだけの
・手続き
・給与計算
・顧客への提案方法
・仕事内容の調整
などがあるためです。
他の社員と一律に扱うと、時短社員の負荷が大きくなるため、配慮されている部分が大きいです。
情報連携が難しい
勤務時間が短いことで、他の社員との情報共有がスムーズに行えない場合があります。
「コミュニケーション不足」が業務効率に影響を与える可能性があります。
例えば、1日8時間の社員の場合には、毎日30分の定例会議をしても、他の業務に支障が出ない。
一方で、1日6時間の社員だと、この毎日30分は業務負荷が一気に上る。
こういうケースは多いでしょう。
結果として業務的なコミュニケーションが取れなくて、仕事が回しにくくなる可能性があるのです。
大抵は「やっかみ」「羨ましい」
とはいえ、時短社員が嫌がられている理由の多くは、「敢えて言うなら」という部分です。
実際の本音の部分は、「やっかみ」や「羨ましい」という気持ちだと考えられます。
例えば、有給を自由に取っている時短社員は多いですが、多くの会社で「すべての有給を使えている社員は稀」です。
転職活動をして、求人票を見てみると
「有給消化率8割」
を売りにしているような会社も多く見られます。
ということは、かなりの社員が有給を使い切れずにいると考えられます。
シフト勤務などの場合は、シフトに穴を開けにくい場合などもあるでしょう。
そんな中で自由に有給を取る(取っている様に見える)時短社員が、実は羨ましいのです。
他にも、残業をしたくない人からすると、家庭を理由に残業をしなくて良い仕事の振られ方をしているのは、羨ましいと感じるでしょうし、そもそも仕事の優先度を落として家庭の優先度を上げるという選択自体も羨ましいと感じる人が多いです。
こういった羨ましいという気持ちが、八つ当たりになっているケースがほとんどだと感じています。
なんなら、女性同士だと「自分も結婚や子育てがしたいのにできなかった人」からの嫉妬が入っている可能性もあります。
中には、「仕事を腰掛けでやっている感」が出ている人もいますが、こういう場合は本人に原因がある可能性があるので注意が必要です。
時短社員を積極教育中!その実情
少し前項で触れましたが、私自身が時短社員を現在複数名育成中です。
もちろん、他の社員も育成していますが、試験的に時短社員に重きをおいて教育中です。
その中で、実際の管理職として感じる部分をお話していきましょう。
教育に取る時間の貴重さが増す
少し触れましたが、1日当たりの教育にかける時間の重要度が、フルタイムで且つ残業もOKな社員に比べると上がります。
そのため、管理職としても充実した教育を目指す一方で、時短社員側にも
「集中して教育に望んでほしい」
と感じる部分が多いです。
例えば、現在週に1回の定期的なマンツーマンでのオンライン講義をしていますが、このときにしっかりと準備をしてきているなら、教え甲斐があります。
ですが、前回やった内容も忘れる。何度言ってもわからない場合には、
「他の社員を教育したほうが早いかも」
という気持ちが出てくるのも、無理はないと感じています。
本人のやる気と能力が重要
本人のやる気や能力は非常に重要です。
予習・復習なども重要ですし、
「勉強会以外の時間で、業務を圧縮して勉強時間を確保する」
という姿勢が大切になります。
加えて、能力的にも低い場合は
「教育するよりも、単純作業に専念してもらったほうが良いかも」
という気持ちが出てくる管理職がいるのも納得です。
私自身は、かなり社員教育を重要視しています。
そのため、自ら私の会社になかった、定期研修を現場を回しながら作成しています。
それでも感じるくらいですから、教育を重視しない人が多い現代の日本の会社では、時短社員が嫌がられるのは、当然と言えば当然かと思います。
人数が増えるとヤバい
時短社員の教育をしていて思いますが、
「後2人増えるとヤバいな」
と感じます。
どうしても、ある程度業務負担が他の人にいくのは仕方ないと思います。
しかし、それをカバーできる量にも限界があります。
そのため、1チームに1人が限界かなと思っています。
個人的には時短でも本気で働く人は良い。腰掛けはNG
時短勤務でも成果を上げ、本気で仕事に取り組む姿勢を持つ社員は歓迎される傾向にあります。
「腰掛け」ではなく「真剣な働き方」を意識することが大切です。
例えば、単に「やる気があります」というだけでは認められることは少ないですが、
・他の人よりも丁寧に仕事をする
・深い知識や経験を持っている
・今までの積み重ねを感じる
・スキマ時間にきちんと勉強をしている
こういう状況が見てわかる場合には、時短社員でも歓迎される可能性が高いです。
特に、短期的な目線ではなく、長期的に物事を見れる人が上司であれば
「時短の時期が終わったときに活躍できる」
という確信が得られます。
こうなれば、その人に時間を使ったり、他の人に仕事を回したりしても、問題ないと考えるはずだからです。
時短社員でも好かれる3つのポイント
では、具体的に今日からでもできる「時短社員でも好かれる方法」について解説します。
成果を意識して働く
限られた時間であっても、高い成果を出すことを意識することが評価に繋がります。
「時間ではなく成果を重視」することが鍵です。
例えば、6時間しか働いていなくても、8時間働いている人よりも高い成果を出している。
そうなれば、上司としては評価せざるを得ません。
また、チームメンバーも同様に
「あの人はしっかりとやってくれているから、他の部分のカバーは当然しよう」
という風に感じられるようになります。
引き継ぎをしっかりとする
業務を他の社員に引き継ぐ際に、漏れなく丁寧に行うことで信頼を得られます。
特に、チームで働く上でこの情報共有は非常に重要で、あるなしでその人の評価が180度変わると言っても過言では有りません。
「スムーズな引き継ぎ」が職場の負担軽減に繋がるのです。
社内コミュニケーションをしっかりと取る
勤務時間が短い分、意識して周囲とコミュニケーションを取ることで、情報共有が円滑になります。
特に上司とのコミュニケーションをしっかりと取り、
「自分のキャリアを真剣に考えている」
「会社に貢献できることを意識している」
「成果を意識して動いている」
ということが伝われば、時短社員でも働きやすい職場にしていくことが可能です。
「コミュニケーションの積極性」が時短社員の評価を高めるのです。
時短でも影響の少ない職種に転職するのも有り
時短社員で働く上で、
「どのような仕事をしているか」
は、非常に重要です。
例えば、シフト制の仕事と月~金の仕事。
シフト制の場合は、欠勤がダイレクトの他の人への業務負荷を上げる結果になります。
一方で、2人でできる仕事を、余裕を持って3人でやっている場合。
こういうプロジェクトなら、急な休みも快く受け入れてくれます。
この様に、会社によって体制や考え方が違うので、自分のスキルを活かせて、且つ合っている勤務体系に変える事も検討する必要があるでしょう。