IT業界は、技術革新が進む中でますます需要が高まっており、多くの人がこの分野でのキャリアを目指しています。
しかしながら、IT企業の中には「入ってはいけない」とされる企業も存在します。
これらの企業は、長時間労働や低賃金、不透明な経営方針など、働く環境に問題を抱えていることが多く、転職者や新卒者にとっては避けるべきです。
この記事では、入ってはいけないIT企業の特徴を紹介し、それらの企業を見分けるためのポイントを解説します。
さらに、具体的な対策を知ることで、転職活動や就職活動をより安全に進めることができます。
入ってはいけないIT企業の典型的な特徴
入ってはいけないIT企業には、いくつかの典型的な特徴があります。
これらの特徴を把握することで、就職活動中に企業を見極めるための判断材料となります。
長時間労働が常態化している企業
IT業界では、特に納期が厳しいプロジェクトにおいて長時間労働が常態化している企業があります。
これらの企業では、労働時間に関するルールが曖昧で、過剰な残業が強制されることが多いです。
定時退社ができる環境であれば問題ありませんが、毎日深夜まで働かなければならない状況が続くと、精神的・身体的な健康を害するリスクが高まります。
求人情報や面接時に「残業は少ない」と説明される場合もありますが、実際のところは企業文化として残業が根強く存在しているケースも多いため、注意が必要です。
ただ、一時的な残業はプロジェクトの進捗度合いによって発生する可能性が有り、
「全く残業がない」
という企業は少ないと思います。
そのため、面接などで
「どのくらいの割合の人が残業をしているのか」
「特定の人に仕事が集中していないか」
ということを確認しておくべきでしょう。
離職率が異常に高い企業
IT業界で入ってはいけない企業のもう一つの特徴は、離職率が異常に高いことです。
特に、新卒社員や中途社員が短期間で次々と退職している企業は、何かしらの問題を抱えている可能性が高いです。
社員が長く続かないということは、職場環境に問題があるか、適切なサポートや教育が行われていないことが原因であることが考えられます。
求人サイトの企業レビューや、転職エージェントのフィードバックを参考にして、離職率について調べることが重要です。
高離職率の企業は、業務が過酷であるか、社内の人間関係に問題があるケースが多いです。
ただ、企業によって「辞める人の理由」が偏ることが多いので、このあたりを面接で聞くのをおすすめします。
例えば、急な転勤が理由で辞める人が多い場合、自分自身が転勤を気にしないなら、長く働ける可能性があります。
ステップアップで辞めていく人が多いなら、単純作業や単調な仕事が得意な人は長く働ける可能性があります。
このように、「離職率が高い＝ブラック」ではなく、自分が求める職場環境との一致度を考えることが重要です。
給与が業界水準よりも著しく低い
IT業界全体では、高い給与水準が期待されることが多いですが、入ってはいけない企業の一つの特徴は、業界水準よりも著しく低い給与を提供している点です。
特に、未経験者や新卒者を対象にした求人で低賃金が提示されている場合、将来的に十分な報酬が期待できない可能性が高いです。
また、給与が低いだけでなく、ボーナスや昇給の制度が不透明である場合も注意が必要です。
企業の収益が悪い、または利益を社員に還元しない文化がある場合、長期的なキャリア形成において不利な環境に身を置くことになる可能性があります。
個人的には、「固定残業代が多い企業」は、固定残業代で水増ししているだけで、基本給が低い傾向にあります。
こういった企業は、基本給を下げることで、残業代やボーナスを低く抑える目的が有り、給料が低い会社の典型例とも言えます。
（とはいえ、その中でも稼げている人もいるでしょうから、一概には言えませんが）
研修やスキルアップの機会が少ない
IT業界では、技術の進歩が早く、常に新しいスキルを学び続けることが重要です。
しかし、入ってはいけない企業は、社員に対する研修やスキルアップの機会をほとんど提供しない場合があります。
特に、研修が不十分なままプロジェクトに投入されるような状況では、スキルが身につかないばかりか、仕事に対する自信を失う原因にもなります。
こういった企業は、短期的な利益を重視し、社員の成長やキャリア形成を軽視する傾向があります。
自分のスキルを磨きたいと考えるのであれば、研修制度が整っている企業を選ぶことが大切です。
特にIT業界の場合、
「転職で給料を上げる」
というのが比較的デフォルトの考え方です。
そのため、
・色々な言語や環境で勉強できること（実務経験を通して）
・上流工程を経験できること
が、将来の自分のキャリアを考えるうえで重要になるでしょう。
経営方針が不透明である
経営方針が不透明な企業も、避けるべきです。
特に、事業の将来性が不安定な企業や、経営陣が頻繁に交代する企業は、長期的なキャリアを築く上でリスクがあります。
会社がどのようなビジョンを持ち、どの方向に向かっているのかが明確でない場合、社員が振り回されることが多く、安定した職場環境を期待することが難しいでしょう。
経営者のビジョンや会社の将来性について、面接時に積極的に質問することで、企業の信頼性を見極めることができます。
入ってはいけないIT企業を見分ける方法
入ってはいけないIT企業を見分けるためには、いくつかの手法を駆使して情報を集めることが必要です。
以下は、企業選びの際に役立つ具体的な手段です。
企業レビューサイトの活用
転職サイトや口コミサイトには、実際にその企業で働いた人たちのレビューが掲載されています。
これらのレビューを通じて、企業の内部事情や実際の労働環境を知ることができます。
特に、長時間労働や給与に関する情報は、現場の社員からの声が反映されやすいため、信頼性が高いです。
ただし、全ての口コミが正確とは限らないため、複数のサイトで情報を確認し、総合的に判断することが重要です。
特に、口コミを書く人の多くは、「すでに転職をして辞めた人」である可能性が高く、そういった人の場合、何かしらの不満を持っていることが多いです。
そのため、批判的な意見が多くなることが多い上、こういった評価はまだまだ投稿数が少なく、母数が小さいので、信用度は高くないでしょう。
できれば、実際に会ってその会社で働いたことがある人に状況を聞くのがベストです。
転職エージェントに相談する
転職エージェントは、特定の業界や企業に関する詳細な情報を持っています。
彼らは求職者に対して適切なアドバイスを提供し、ブラック企業や問題のある企業を避けるためのサポートをしてくれます。
特に、自分では判断が難しい場合や、希望する企業が見つからない場合には、エージェントの助けを借りることで、より安全な選択ができるでしょう。
転職エージェントにも、その品質に差がありますが、できれば
「転職が決まった後にも定期的に連絡を取っている」
というようなエージェントを選ぶことで、その会社に入った人が現在どのように働いているのかという情報収集ができると思います。
面接時の質問で企業文化を探る
面接時は、単に自分をアピールするだけでなく、企業を見極める重要なチャンスです。
例えば、残業時間について具体的に質問したり、離職率や福利厚生について聞いてみることで、その企業の実態を知ることができます。
また、オフィスの雰囲気や社員の表情、面接官の態度なども観察し、企業文化を感じ取ることが重要です。
面接で曖昧な回答をする企業や、ネガティブな質問に対して防御的な姿勢を取る企業は、入社後に問題を抱える可能性が高いため、注意が必要です。
社会的な評判や認知度をチェックする
企業の評判や社会的な認知度も、判断材料の一つです。
特に、IT業界では業界内での評価が高い企業や、技術的な取り組みが評価されている企業は信頼性が高いです。
一方、悪い噂や不祥事が報道されている企業は、避けた方が無難です。
企業の評判は、ニュースや業界フォーラム、専門誌などを通じて確認することができます。
最終的には信用できる人かどうか
面接で出てくる人は、基本的に外面が良い人が多いです。
良い印象を持ってもらわないと、入社しないと思ってもらえないので、印象が良い人を選出していることが多いです。
しかし、面接を進めていくと多くの会社では「実際に一緒に働く人や上司になる予定の人」との面接があります。
こういった現場の人を「信用できるか」が個人的に最も重要だと思っています。
最終的には、人と人です。
そのため、「言っていることはすごく良いけど、なんとなく信用できない」という場合、入社してから後悔するケースが多いように思います。
また、信用できないような人の場合、面接での説明が嘘であったということは多々あるので、面接と言えど、相手は人であることをしっかりと意識しておくのがオススメです。
入ってはいけないIT企業で働いてしまった場合の対処法
万が一、入ってはいけないIT企業に入社してしまった場合、どうすれば良いのでしょうか。
以下は、そんな状況に陥ったときの対処法です。
まずは冷静に現状を分析する
入社してから「この企業は自分には合わない」と感じた場合、まずは冷静に現状を分析しましょう。
会社全体に問題があるのか、自分の担当プロジェクトや上司に問題があるのかを見極めることが大切です。
会社全体が問題であれば早急に対処が必要ですが、一部の問題であれば社内での異動や部署変更を交渉することも一つの方法です。
また、一時的なプロジェクトや顧客の問題の場合は、時間が経てば解決しますが、会社の風土だった場合には、改善するにも長い時間と努力が必要です。
そのため、客観的に現状を把握することが重要なのです。
転職活動を再開する
状況が改善しない場合、転職活動を再開することを考えましょう。
すでに就職しているため、次の仕事を見つけるまでの時間的余裕はあります。
焦らずに次の企業を選び直すことが大切です。
特に、入社したばかりであっても、自分の健康やキャリアに影響を与えるほどの問題がある場合は、早めの行動が重要です。
法的手段を検討する
労働条件が明らかに違法である場合や、契約内容に反している場合は、労働基準監督署や弁護士に相談することを検討してください。
特に、残業代が支払われない場合や、ハラスメントが発生している場合は、法的手段を取ることで問題を解決できる可能性があります。
まとめ
「入ってはいけないIT企業」は、労働環境や給与、企業文化に問題を抱えていることが多く、キャリア形成において大きなリスクとなり得ます。
長時間労働、離職率の高さ、給与の低さ、経営の不透明さなど、これらの特徴を持つ企業は避けるべきです。
転職活動や就職活動を行う際には、企業レビューサイトの利用や転職エージェントのアドバイスを活用し、面接時に企業文化を探ることで、問題のある企業に入社するリスクを減らすことができます。
もし、万が一入ってしまった場合でも、冷静に対処し、自分のキャリアを守るための行動を取ることが重要です。
最終的には、自分のライフスタイルやキャリアの目標に合った企業を選び、健康的でやりがいのある職場を見つけることが、成功への鍵となります。
