現在、転職がブームになっており、考えている人も多いのではないでしょうか。
物価が上昇する一方で、給料は上がりにくい。
この状況を打破するためには、転職や副業が大きな1手になるのは間違い有りません。
一方で「転職して人生が狂った」と感じることは、決して珍しいことではありません。
キャリアチェンジやより良い環境を求めて転職を決断したものの、その結果が期待とは異なり、人生の軌道を大きく外れてしまったと感じる人も多いのです。
しかし、実際には転職そのものが人生を狂わせたのではなく、誤った判断や準備不足が原因であることがほとんどです。
この記事では、転職によるリスクや、なぜ「転職して人生が狂った」と感じる人がいるのかを分析し、転職を成功させるための対策を解説します。
私自身、今の会社が7社目で、転職は何度もしてきました。
受けてきた会社は新卒のときも含めれば、1000を軽く超えているでしょう。
加えて、今の私は企業の面接官もしており、どちらの立場も経験してきています。
ちなみに、転職で失敗したと感じた事はありません。
そんな私の体験談や、転職で成功を収めた人々の体験談を交えながら、正しい転職のステップについても触れていきます。
「転職して人生が狂った」と感じるのはなぜ?
転職が人生を狂わせる原因は、大きく分けて以下の3つのパターンに分類されます。
期待と現実のギャップ
転職をする際、多くの人は新しい職場に対する期待を抱きます。
より高い年収、働きやすい環境、自己成長の機会など、転職によって得られるメリットに目を向けることは当然です。
特に、今までの会社で嫌だと思ったことを中心に転職活動をするので、
「前の会社よりは良い環境になっているはず」
という期待感は大きなものでしょう。
しかし、実際に転職後の現実がその期待に応えられなかった場合、ストレスや不満が募り、最悪の場合「転職して人生が狂った」と感じてしまうことがあります。
例として、システムエンジニアから営業職に転職したAさんのケースを考えてみましょう。
彼はより高い報酬を期待して職を変えましたが、営業のプレッシャーやノルマが予想以上に厳しく、最終的に心身ともに疲れ果ててしまいました。
「エンジニアとして働く中では、コミュニケーション能力も高く、提案力もあるから営業職でもやっていける」
と考えての転職だったものの、実際には
「システムエンジニアで上手くコミュニケーションを取れていると感じていたのは、すでに契約済みの顧客に対するコミュニケーションであり、営業の新規開拓としてのコミュニケーションとは全く別物だった」
と感じたそうです。
このように、期待と現実のギャップが大きすぎると、転職による満足感は得られず、人生の狂いを感じることがあります。
自分に合わない職種や業種への転職
人にはそれぞれ得意な分野や働き方がありますが、それを無視して転職をすると大きなミスマッチが生じることがあります。
例えば、クリエイティブな仕事が好きな人が、データ処理や分析を主に行う仕事に転職すると、仕事そのものに興味が持てず、日々の業務が苦痛になることがあります。
データ分析の仕事の多くは、データの整理・クリーンナップなど、地味な作業が多かった・・・というようなパターンです。
特に、異業種への挑戦はリスクが伴います。
異業種転職は多くの場合、新しいスキルを習得する機会を与えてくれますが、適性がない職種を選んでしまうと、「転職して人生が狂った」と感じる原因になります。
職場の人間関係によるストレス
転職の失敗の一因として無視できないのが、職場の人間関係です。
どれだけ良い待遇や仕事内容であっても、人間関係が悪い職場では長続きしません。
転職前には、給与や労働条件だけでなく、職場の文化や同僚との相性にも目を向けることが大切です。
私自身も、過去の転職経験で、理想的な条件が揃った会社に入社したものの、職場の文化が自分に合わず、強いストレスを感じたことがあります。
(とはいえ、それ以外の条件を含めれば確実に「良い転職であった」と感じていたので、続けることはできました)
面接で聞いた情報が嘘だった
これも多いパターンですが、どの企業も今は人手不足です。
その中で、少しでも人材を獲得するために嘘や誇張表現をすることがあります。
例えば、給料を「月20~40万円」と書いている場合、多くの人は20万円になります。
(よほど実績や経験がない限り)
更に、
「〇〇という仕事を任せる予定」
と聞いていたのに、全く違う仕事をする羽目になることも多いです。
私自身はSIerで働いていますが、運用監視(システムを監視する人)の仕事についている多くの人が、面接時には
「頑張れば開発にいける」
と言われていたと聞きます。
このように、面接で嘘(とまで言うのは極端かもしれませんが)を疲れることも有り、結果自分のキャリアを潰す可能性があります。
転職で失敗するリスクを最小限に抑えるには?
転職による失敗を防ぐためには、しっかりとした準備と自己分析が不可欠です。
以下のステップを踏むことで、転職が人生を狂わせるリスクを最小限に抑えることができます。
最も重要なのは「心の余裕」
転職で最も重要なのは、心の余裕です。
余裕がなければ、思うような職場でなくても
「とりあえず転職を優先する」
ということをしてしまいがちです。
この余裕の最も大きな部分は、収入です。
例えば、前の職場を辞めてから転職活動する場合。
貯金を切り崩しながら行う転職では、多少条件が悪くても、無視して転職を決めてしまう可能性があります。
実際、私自身も1度職を失ってからの転職経験がありますが、危うくブラック企業に就職してしまうところでした。
これ以外にも、今の職場で心身が疲弊しているタイミングでは、どの会社もよく見えてしまい、転職後に後悔してしまう危険性があります。
このように、心の余裕が転職において非常に重要になってきます。
自己分析を徹底する
転職を考える前に、まずは自己分析を行い、自分が本当に求めていることを明確にしましょう。
これは、私自身が何度も転職を繰り返す中で痛感したことです。
自分の強みや弱み、どのような職場環境で最もパフォーマンスを発揮できるのかを理解することで、転職先の選定が格段に楽になります。
特に、仕事に対する価値観や、自己成長に関する価値観は、職場選びに大きな影響を与えます。
まず最初は、今まで仕事をやってきた中での
・楽しかったこと
・嫌だったこと
・転職を考えたきっかけ
・仕事のモチベーション
などについて考えてみるのが良いでしょう。
情報収集を怠らない
次に重要なのは、徹底的な情報収集です。
求人情報や企業の評判だけでなく、職場の雰囲気、従業員の満足度、業界全体の動向なども調べることが大切です。
転職サイトの口コミや、企業の社風を知るためのオープンな情報を活用し、転職後のギャップを減らしましょう。
また、どうしても転職活動の面接のときには
「内定がほしい」
と思うばかりに、本当に聞きたい
・給料の話
・社内の評価制度の話
・昇給の話
などのお金の話ができなかったり、
・本当の意味での会社の雰囲気
・既存社員が抱えている愚痴
という部分が聞けないことが多いです。
このあたりは、質問が難しい上に、たとえ聞いても表面的な答えしか返って来ないことが多々あります。
そのため、重要になるのは、敢えて
「自分が望む環境や状況」
をしっかりと細かく伝え、面接官側に
「この人なら続けられそう」
と感じるかを委ねる必要があります。
ただ、派遣会社やSESなどのような職場の場合は、単に頭数をほしいと考えているところも多く、この方法でうまくいかない可能性がありますが、一般的な企業の場合には、すぐに辞めてしまいそうな(自社の文化に合わなさそうな)人の場合は不採用にしてくれると思います。
異業種への転職は慎重に行う
異業種に転職する場合は、自分の適性を冷静に見極めることが大切です。
新しい分野にチャレンジすることは魅力的ですが、その分だけリスクも高まります。
年齢が20代なら、いくらでも方向転換が可能ですが、これが30代を超えての未経験職種の場合には、失敗したときの取り返しがつかなくなる可能性が高いです。
もし異業種への転職を考えているなら、まずはその業界や職種に対して徹底的にリサーチし、自分のスキルセットや興味がその仕事に合っているかを判断しましょう。
特に異業種の場合には、新卒と同じレベルの給料しか出してくれない会社が多く、失敗したときの影響が非常に大きいので注意しておきましょう。
転職の成功事例:成功を収めた人々の体験談
実際に転職で成功を収めた人々の体験談は、転職活動における具体的なヒントとなります。
以下に、いくつかの成功事例を紹介します。
Aさんの転職ストーリー
Aさんは、長年システムエンジニアとして働いていましたが、自身の興味があるデジタルマーケティングに転職することを決意しました。
彼は転職前に、自己分析を徹底し、どのようなスキルが必要かをリサーチ。
その結果、必要なスキルを習得するために独学で勉強し、オンラインコースも受講しました。
その後、デジタルマーケティングの企業に入社し、彼は自身の期待以上に充実した仕事を手に入れました。
Aさんは「自分に合った職種を見つけたことで、仕事が楽しくなった」と語っています。
このように、準備と自己分析が転職成功の鍵となった例です。
Bさんの転職体験
Bさんは、飲食業界からIT業界に転職を考えていました。初めての業種への挑戦に不安があったものの、彼女は人的ネットワークを活用し、IT業界で働く友人から多くの情報を得ました。
また、ITの基礎知識を身に付けるために、プログラミングスクールにも通いました。
彼女は、未経験ながらも必要なスキルを身に付けたことで、希望するIT企業から内定を得ることができました。
「転職を通じて新しい自分を発見した」と彼女は語り、自身の成長を実感しています。
このように、正しい準備とネットワークの活用が成功につながった例です。
まとめ
「転職して人生が狂った」と感じることは、時としてあるかもしれませんが、その原因は大抵、準備不足や情報収集の欠如に起因しています。
転職を考える際は、しっかりと自己分析を行い、職場環境や人間関係を見極めることが大切です。
また、成功事例から学ぶことで、あなた自身の転職活動にも役立てることができます。
最後に、転職は新しいチャンスをつかむための重要なステップです。
「転職して人生が狂った」とならないためにも、正しい情報と準備を持って臨むようにしましょう。
今後も転職活動に関する情報を提供していきますので、ぜひご期待ください。